副作用の点からもいつまでも抗アレルギー剤で対症療法を続けるべきではありません。
1.スギ花粉症
すでに当院では8シーズンにわたって舌下療法(スギの標準化抗原をべろの下から吸
収させる)による減感作治療を行ってきました。
当院は、国内で最も経験を積んだ施設の一つで、成功率は70%以上におよび、重大な副作用も無く、自宅で治療可能な治療であり患者さんとご家族にはご負担が随分と軽くなりました。
しかし、2−3カ月に及ぶ治療を3シーズン以上続ける必要のある方、実際にはイネ科の雑草花粉もアレルギーを起こしているために、スギ単独では治療効果が上がりにくいこともあります。個々のアレルギーの有無にはスクラッチテストという皮膚反応テストが必要です。血液検査(RAST 法)だけでは不十分です。
偏向赤外線レーザーによる星状神経節ブロックも安全で効果の高い治療です。
前年の12月ごろから家庭で標準化スギ抗原の舌下服用をはじめ、翌年2月まで続け
ます。
大気汚染が気管支喘息の場合と同様に避けがたい悪化原因のひとつではあります。し
かし、自宅で続けられる減感作療法により根本治療をおこない、抗アレルギー剤、吸入ステロイドなどのその場しのぎ治療は早急にやめるべきでしょう。
2.ダニアレルギー
通年型、即時型アレルギーの代表ともいえるアレルギーです。主にコナヒョウダニ、ヤケヒョウダニが抗原として重要です。気管支喘息、アレルギー性鼻炎の根本治療にはスクラッチテストで確認のうえやはり減感作治療が必要です。通院での5年以上にわたる注射治療が、減感作治療の妨げになってきました。また国内には治療に適した抗原が無いために、非常に限られた医療機関でしか減感作を実施できませんでした。
米国の Hollister-stier 社製の標準化抗原で正確に十分量の抗原を使用した舌下
(次のページへ続く)
ページ1 ページ2
|